大胸筋上部が男の象徴!リバースグリップダンベルプレスのやり方と重量設定、6つの注意点について解説していきます!
「リバースグリップダンベルプレス」という大胸筋トレーニング種目をご存知でしょうか?
あまり聞き慣れない種目名ですよね。実はこちら、大胸筋上部と三角筋前部に非常に効果的な種目なのです。
リバースグリップダンベルプレスは、大胸筋トレーニング種目を代表する「ダンベルプレス」のバリエーションの一つで、通常の順手のグリップとは異なり、アンダーグリップ(逆手)でダンベルを握り、動作することで、より大胸筋上部と三角筋前部への負荷を高めた変則的な大胸筋上部のトレーニング種目です。
普段の基本的な種目と、異なる刺激を加えたいときにはバリエーションの一つとして取り組むことで、普段の大胸筋上部のトレーニングの効果をさらに高めることが可能になります。
大胸筋上部が発達すると、Tシャツもカッコよく着こなせるようになり、男らしさが際立ちますよね♪大胸筋上部は男の象徴といっても過言ではありません。
また、リバースグリップダンベルプレスは、肩関節を痛めにくい特徴があるため、怪我のリスクを軽減した効果的で安全なトレーニングができます。
今回はそんなリバースグリップダンベルプレスのやり方・コツ・バリエーションから、より効果的に効かせるためのポイントについて、解説していきます!
この記事の目次
- リバースグリップダンベルの概要について
- リバースグリップダンベルのやり方・フォーム
- リバースグリップダンベルプレスの効果を高める4つのバリエーション
- リバースグリップダンベルプレスをより効果的に効かせるトレーニング方法!
- リバースグリップダンベルプレスの効果的な重量設定・回数・セット数について
- 正しいフォームがなによりも大切
- リバースグリップダンベルプレスのありがちな間違ったフォーム解説について
- トレーニングレベルが分かってしまう⁈スタート動作とフィニッシュ動作のやり方
- リバースグリップダンベルプレスで肩関節を痛めないための5つの注意点
- リバースグリップダンベルプレスで推奨するサポートギア類について
- まとめ
- 他にもある、大胸筋の筋肥大に関する記事はこちら♪
リバースグリップダンベルの概要について

通常のダンベルプレスでは、サムアラウンドグリップ(順手)でダンベルを握り、その状態のまま動作します。リバースグリップダンベルプレスはアンダーグリップ(逆手)でダンベルを握り、逆手のまま挙上していくのが特徴のダンベルプレスのバリエーションの一つです。
通常のダンベルプレスでは、肘が45度程度、肩方向に肘が開きながら挙上していきます。肩関節内転動作により大胸筋上部へ刺激を加えます。
それに対し、リバースグリップダンベルプレスは、アンダーグリップ(逆手)でダンベルを握り動作するため、自然と肘と脇は閉じ気味になることで、挙上する際は肩関節屈曲動作になり、より効果的な刺激を大胸筋上部へ加えることが可能になります。
それに加えて、リバースグリップベンチプレスのようにバーベルではなくダンベルを使用することで、使用重量は落ちてしまいますが、より深く大胸筋をストレッチ(伸展)させることが出来るため、大胸筋や三角筋前部への負荷の最大化に期待することができます。
また、リバースグリップベンチプレスで発症しやすい肩関節の故障も、ダンベルを使用することでより体にとって自然な動作でトレーニングすることができるので、肩関節を痛めてしまうリスクを軽減することが可能になります。
この、肩関節屈曲動作により、最も関与する大胸筋上部と三角筋前部がメインターゲットとして鍛えることができます。
肘を伸ばす(肘関節伸展動作)も含まれるため、サブターゲットとして上腕三頭筋も同時に鍛えることができます。
リバースグリップダンベルプレスは、ベンチ台とダンベルがあれば実践することが可能です。しかし、通常のダンベルプレスと比べると、難易度が高いため、まずは動作フォームを習得し、軽い重量で正しいやり方を身に着けることで、効果的な大胸筋トレーニングができます。
中級者~上級者向けのトレーニング種目と言えるでしょう。
このリバースグリップダンベルプレスは、肘関節と肩関節の2つの関節が含まれるため、多関節運動種目(コンパウンド種目)区別されます。
リバースグリップダンベルのやり方・フォーム
【リバースグリップダンベルプレスのやり方・フォーム】
- 両手にダンベルを持ち、ベンチ台に仰向けで寝ます
- 両手を外旋させアンダーグリップ(逆手)の形になるようにします(手のひらが顔に向く)
- 肘を自然に体の横につけるようにしておきます
- これでスタートポジションは完成です
- 肩と肘を上へ上げ伸ばすようにしてダンベルを挙上していきます
- この時、ダンベルは逆手のまま、手のひらが顔を向いたまま挙上していきます
- 息は挙上し終わってから吐きます
- 肘と肩を下げて元の位置におろしていきます
- ダンベルを大胸筋下部のあたり、みぞおちのあたりにおろしていきます
- この時、可能な限りダンベルを深く落とすことで、大胸筋と三角筋前部に大きくストレッチがかかることで、非常に効果的な負荷を与えることができます
- 上記の動作を繰り返します
リバースグリップダンベルプレスの目安は10回×3セット。フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 常に胸は大きく張ったまま動作するようにしましょう。
- 肩甲骨は軽く寄せておきます
- 大きな可動域で動作することで、対象筋に効果的な負荷を与えることができます
リバースグリップダンベルプレスの効果を高める4つのバリエーション
リバースグリップダンベルプレスにはいくつかのバリエーションが存在します。
それぞれの特徴を理解し、より効果的なトレーニングにしていきましょう。
インクライン・リバースグリップダンベルプレス
インクライン・リバースグリップダンベルプレスは、ベンチ台を斜め45度程度に調整し、体を斜めにしたままの状態で動作することで、より大胸筋上部と三角筋前部に負荷を集中させる、リバースグリップダンベルプレスのバリエーションの一つです。
インクラインの姿勢でリバースグリップダンベルプレスを行うことで、斜め上方向へ挙上していくことで。通常のフラットベンチで行うリバースグリップダンベルプレスに比べると、より大胸筋上部と三角筋前部に負荷を与えることに特化したトレーニング種目と言えます。
また、ダンベルをおろす際も、フラットと比べるとより深い位置までダンベルをおろすことができるため、大胸筋と時三角筋前部へのストレッチをより一層効果的に加えることができるようになります。
【インクライン・リバースグリップダンベルプレスのやり方・フォーム】
- ベンチ台を30~45度程度に頭が斜め上の状態になるように調整し、仰向けで寝ます
- 両手を外旋させアンダーグリップ(逆手)の形になるようにします(手のひらが顔に向く)
- 肘を自然に体の横につけるようにしておきます
- これでスタートポジションは完成です
- 肩と肘を上へ上げ伸ばすようにしてダンベルを挙上していきます
- この時、ダンベルは逆手のまま、手のひらが顔を向いたまま挙上していきます
- 息は挙上し終わってから吐きます
- 肘と肩を下げて元の位置におろしていきます
- ダンベルを大胸筋下部のあたり、みぞおちのあたりにおろしていきます
- この時、可能な限りダンベルを深く落とすことで、大胸筋と三角筋前部に大きくストレッチがかかることで、非常に効果的な負荷を与えることができます
- 上記の動作を繰り返します
インクライン・リバースグリップダンベルプレスの目安は10回×3セット。フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 常に胸は大きく張ったまま動作するようにしましょう。
- 肩甲骨は軽く寄せておきます
- 大きな可動域で動作することで、対象筋に効果的な負荷を与えることができます
フロア・リバースグリップダンベル
リバースグリップダンベルプレスを行う際、ベンチ台を使用することが出来ない場合は、ダンベルのみでリバースグリップダンベルプレスを行うことが出来る、フロア・リバースグリップダンベルプレスがおすすめです。
床に仰向けで寝て、その状態のままリバースグリップダンベルプレスを行うことで、専用のベンチ台がなくても、ダンベルさえあれば取り組むことが可能です。
しかし、通常のリバースグリップダンベルプレスのようにベンチ台を使用せず、床の上で行うため、ダンベルの可動域に制限がかかってしまい、大胸筋と三角筋前部に十分なストレッチ(進展)されないため、効果が低くなってしまいます。それぞれの特徴をしっかりと理解して、効果的なトレーニングを実践していきましょう。
【フロア・リバースグリップダンベルプレスのやり方・フォーム】
- 両手にダンベルを持ち、床に仰向けで寝ます
- 両手を外旋させアンダーグリップ(逆手)の形になるようにします(手のひらが顔に向く)
- 肘を自然に体の横につけるようにしておきます
- これでスタートポジションは完成です
- 肩と肘を上へ上げ伸ばすようにしてダンベルを挙上していきます
- この時、ダンベルは逆手のまま、手のひらが顔を向いたまま挙上していきます
- 息は挙上し終わってから吐きます
- 肘と肩を下げて元の位置におろしていきます
- ダンベルを大胸筋下部のあたり、みぞおちのあたりにおろしていきます
- 肘が床につくまでおろしていきます
- 上記の動作を繰り返します
フロア・リバースグリップダンベルプレスの目安は10回×3セット。フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 常に胸は大きく張ったまま動作するようにしましょう。
- 肩甲骨は軽く寄せておきます
- 大きな可動域で動作することで、対象筋に効果的な負荷を与えることができます
スミスマシン・リバースグリッププレス
スミスマシン・リバースグリッププレスは、スミスマシンを使用して行うリバースグリップベンチプレスのバリエーションの一つです。
スミスマシンはバーベルやダンベルといったフリーウェイトとは異なり、バーベルの軌道が固定されているため、前後左右にフォームのブレなく安定したトレーニングが可能になります。
またセーフティバーがついているので万が一潰れてしまってもセーフティバーより下には落ちないので安全性の高いトレーニングができます。
そのため、フォームがまだ安定していない初心者の方にもおすすめな、リバースグリップベンチプレスのバリエーションになります。
また、バーベルやダンベルを使用するリバースグリップベンチ・ダンベルプレスだと、ウェイトを安定させるために補助筋群が関与するため、負荷が分散してしまう可能性があるのに対し、スミスマシンはその補助筋群の役割であるバーベルの軌道を固定し、安定した動作が可能になるため、大胸筋への関与が高まり純粋に大胸筋のみ鍛えることが出来るというメリットもあります。胸を大きく張ったまま動作します。
【スミスマシン・リバースグリッププレスのやり方・フォーム】
- スミスマシンにウェイトをセットします
- バーをおろした時に、大胸筋下部のあたりにバーがくる位置にベンチ台をセットします
- ベンチ台に仰向けで寝て、肩幅の1.5倍広い手幅で、アンダーグリップ(逆手)で握ります。
- 肘を自然に体の横につけるようにしておきます
- これでスタートポジションは完成です
- 肩と肘を上へ上げ伸ばすようにしてダンベルを挙上していきます
- 息は挙上し終わってから吐きます
- 肘と肩を下げて元の位置におろしていきます
- しっかりとバーが胸に触れるくらいまでおろすことで、大胸筋と三角筋前部がストレッチ(伸展)され、効果的な負荷を与えることができます
- 上記の動作を繰り返します
スミスマシン・リバースグリッププレスの目安は10回×3セット。フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 常に胸は大きく張ったまま動作するようにしましょう。
- 肩甲骨は軽く寄せておきます
- 大きな可動域で動作することで、対象筋に効果的な負荷を与えることができます
インクライン・リバースグリップベンチプレス
インクライン・リバースグリップベンチプレスは、先ほどご紹介したインクライン・リバースグリップダンベルプレスの、ダンベルではなくバーベルを使用したタイプのバリエーションです。
バーベルを使用することで、ダンベルよりもより重い重量を扱うことができるため、物理的重量で大胸筋上部・三角筋前部を鍛えたい方におすすめです。
しかし、ダンベルほど大胸筋上部と三角筋前部へのストレッチ(伸展)に期待ができないため、ダンベルとバーベル、どちらも満遍なく取り組むことをおすすめします。
- バーベルにウェイトをセットします
- インクラインベンチに合わせてラックの高さも調整します
- ベンチ台を30~45度程度に頭が斜め上の状態になるように調整し、仰向けで寝ます
- 肩幅の1.5倍広い手幅で、アンダーグリップ(逆手)で握ります。
- 肘を自然に体の横につけるようにしておきます
- これでスタートポジションは完成です
- 肩と肘を上へ上げ伸ばすようにしてダンベルを挙上していきます
- 息は挙上し終わってから吐きます
- 肘と肩を下げて元の位置におろしていきます
- しっかりとバーが胸に触れるくらいまでおろすことで、大胸筋と三角筋前部がストレッチ(伸展)され、効果的な負荷を与えることができます
- 上記の動作を繰り返します
インクライン・リバースグリップベンチプレスの目安は10回×3セット。フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 常に胸は大きく張ったまま動作するようにしましょう。
- 肩甲骨は軽く寄せておきます
- 大きな可動域で動作することで、対象筋に効果的な負荷を与えることができます
リバースグリップダンベルプレスをより効果的に効かせるトレーニング方法!
ここめでリバースグリップダンベルプレスのバリエーションについてご紹介してきましたが、ここではそのリバースグリップダンベルプレスのトレーニング効果をより高めるコツ・テクニックについて紹介していきます。
より効果的で質の良いトレーニングができるように確認していきましょう。
ストップ・リバースグリップダンベルプレス
ストップ・リバースグリップダンベルプレスは、中級者~上級者トレーニー向けとされている、より高負荷を与えることができるトレーニングテクニックです。
ボトムポジションまでダンベルをおろした際、力を抜かずに力を入れたまま2秒~3秒止めてからダンベルを挙上します。ウェイトを大胸筋で受け止め、勢いや反動を殺すことでウェイトの数字通りの負荷をマッスルコントロールにより与えることができます。
また筋肉の緊張時間も長いため、より筋肥大につながる効果的な刺激を大胸筋へ与えることが可能です。
ダンベルプレス種目・ベンチプレス種目で負荷が逃げやすい方や、より筋肥大効果の高いトレーニングを求める方におすすめのトレーニング法です。
しかしストップテクニックはフォームの維持が通常と比べると難易度が高いため、ダンベルプレス種目・ベンチプレス種目でのフォームが正しいフォームで動作できる方にのみおすすめします。
MI40法・リバースグリップダンベルプレス
アメリカのIFBBプロボディビルダーである「Ben Pakulski」が提唱した上級者向けトレーニング法です。
ポジティブ(力を入れて挙上する) 動作を1秒
ネガティブ(力を抑制してバーベルをおろす)動作を4秒
1レップに計5秒かけてしっかりと負荷をたたき込むやり方です。これを最低でも8レップ行います。8レップで「限界」の重量設定が重要になりますので、軽くしすぎないよう注意してください。
ネガティブ動作重視の高負荷トレーニングテクニックと言えるでしょう。
【やり方】
- 通常のリバースグリップダンベルプレス動作時に、トップポジションまで上げるスピードを1秒で動作します。
- ボトムポジションまでダンベルをおろす際に4秒かけながらゆっくりとおろしていきます。
- このとき、体幹は肘がブレやすくなるので、しっかり腹筋に力を入れて安定した動作を心がけて下さい。
3段階・リバースグリップダンベルプレス(21rep法)
伝説のボディビルダーである「Ronnie Coleman」が好んで上腕二頭筋トレーニングにとりいれていたこのトレーニング法。
上腕二頭筋だけではなく、大胸筋トレーニングにも応用が可能です。
ボトムからハーフレンジまでの下半分の可動域で7rep➡ハーフレンジからトップまでの上半分の可動域で7rep➡最後にフルレンジで前可動域を7repの計21回を連続で行います。
異なる3つの可動域(ストレッチ・ミッドレンジ・コントラクト)を追い込むことで様々なアプローチから効果的な負荷を与えることができる高強度なトレーニング法です。
しかしこのトレーニング法は動作の中で3回もフォームを変えることになるため、非常にフォームが崩れやすいので注意が必要です。
中級者~上級者向けのトレーニング法と言えます。
ジャイアントセット
ジャイアントセットとは、「一つの筋肉部位」に対し、最低4つの異なる種目を休憩・インターバルなしで連続で行う超高強度トレーニング法です。
例えば、
- リバースグリップダンベルプレス 10回 1セット
- インクライン・リバースグリップダンベルプレス 10回 1セット
- リバースグリップベンチプレス 10回 1セット
- スミスマシン・リバースグリップベンチプレス 10回 1セット
計40回
上記のように「大胸筋上部」の部位に対し、それぞれ異なる種目を休憩なしで連続で行うことで、より大きな刺激を筋肉に与えることが可能です。
一見同じような種目内容に見えますが、微妙に違う動作によって微妙に異なる筋繊維からの出力・動員が得られるので筋繊維へ「物理的刺激」を与えることができます。
また休憩なしで筋肉を緊張させ続けることによって「化学的刺激」により代謝物や成長ホルモンの分泌量向上にも効果があるといわれています。
つまり筋肥大に最適なメカニズム備えた究極のトレーニング法ということになります。
3段階ドロップセット
ドロップセットとは高負荷のトレーニングでこれ以上挙上できない限界まで筋肉を追い込んだ後、インターバルをとらず、即座に少しだけ負荷を下げて再び限界まで筋肉を追い込むトレーニング法です。
例えばリバースグリップダンベルプレスだと下記のようになります。
- 25kg×25kg =50kg 10回
- 17.5kg×17.5kg=35kg 10回
- 12.5kg×12.5kg=25kg 10回
計30回休憩なしでそれぞれの重量で限界まで追い込みます。
ジャイアントセットも同様ですが、とにかく“筋肉に休憩する瞬間を与えない”ことがより効果を高めるポイントになります。
「筋肉が限界に達する強度のトレーニングを長い時間続けることによって強い負荷を筋肉に与え、筋肉を大きく増強させる」という上級者向けのトレーニング法になります。
リバースグリップダンベルプレスの効果的な重量設定・回数・セット数について
リバースグリップダンベルプレスで効果的にトレーニングするためには適切な重量設定・回数・セット数が非常に重要です。
このうちどれか一つでも間違ったやり方だと効果が半減してしまい、結果が期待できなくなってしまいます。
ここで確認して、最大限の効果を得られるリバースグリップダンベルプレスを行っていきましょう。
効果的な重量設定について


リバースグリップダンベルプレスは、バーベルベンチプレスと比べて必ず使用重量は低くなります。
ダンベルはそれぞれのウェイトが独立している分、コントロールしながら真上に挙上しなければいけないため、バーベルのように上方向へ押せば上がるように単純ではないからです。
普段トレーニングしているベンチプレスのメインセット重量の70%~80%ほどの重量だと考えてください。
その重量が普段のベンチプレスと同じくらいの強度になります。
回数の違いによる効果について
- 筋出力向上 1~5回
MAX重量を伸ばしたい場合は、筋出力が向上するメニュー組みがオススメです。1-5回/1setが限界の重量を扱うようにしましょう。
- 筋量向上 6~10回
筋肉を大きくしたい(筋肥大)を目的とする場合は、筋肉量が向上するメニューを。6-10回/1setが限界の重量を扱うようにしましょう。
- 筋持久力向上 12~15回
筋持久力アップを目的とする場合は、12-15回/1setが限界の重量を扱うようにしましょう。
大胸筋の筋肥大に効果的なセット数について
一般的には最低でも“3セット”と聞いたことがあるかもしれませんが、これでは少ないです。
3セットのみでは筋肥大に十分な負荷を与えられずに効果が表れにくいです。
最低でも5セット以上10セット以下
最低でも5セット以上はトレーニングすることをおすすめします。
筋肥大に効果的な負荷を与えるには筋肉の緊張時間を長くし、かつしっかり重量をかけてオールアウト(追い込み切る)することが重要になります。
また、筋出力向上の観点からしても5セット以上でないとすべての筋繊維が使用されずに使用重量もあまり発揮されません。つまり3セットではウォーミングアップレベルでしかないということになります。
パワーリフティングのトレーニングでも基本的に8セット・10セットというのはごく普通のトレーニング強度です。それくらいのセット数で追い込まなければ目に見える効果はなかなか表れてくれません。
しっかりとオールアウトさせることを意識してください。
正しいフォームがなによりも大切
リバースグリップダンベルプレスだけでなく、すべてのエクササイズ・種目では基本的な動作フォームがなによりも大切です。
まずは正しいフォームをしっかりと身につけ、体で覚えることで最も効率的に対象筋への負荷を与えることができるので理想の肉体を作り上げることが可能になります。
間違ったフォームのままトレーニングを続けると対象筋以外の筋肉も使ってしまい、適切な負荷が入らずいつまでたっても肉体に変化のない質の低いトレーニングになってしまいます。
それだけではなく関節・筋肉・腱を痛めてしまい怪我につながってしまいます。1度怪我をすると、完治するまでその部位を鍛えることができなくなるのでその期間に筋肉を失ってしまう上、他の部位のトレーニングに影響が出る可能性まであり、最悪な結果となってしまいます。


ここでまず覚えていただきたいのは、正しいフォームを覚えることが理想の肉体への一番の近道であるということ。
「怪我」は筋トレの中で一番気を付けなければいけない脅威だということです。
リバースグリップダンベルプレスのありがちな間違ったフォーム解説について
①肘をロックアウト(肘を伸ばしきる)してしまっている


肘を伸ばし切ってしまうとダンベル・バーベルのウェイトは肩関節・肩甲骨に完全に乗ってしまうため、大胸筋の緊張が途切れてしまいます。
大胸筋に休む瞬間が生まれてしまうということです。
肘は8割程度まででトップポジションは設定し、伸ばし切らないことで上腕三頭筋の動員も軽減することできるので、大胸筋に対し持続的に質の高い負荷を与えることができます。
②可動域が短すぎる・大胸筋をストレッチしきれていない


ダンベルはしっかりと大胸筋の筋繊維が伸ばされ、十分なストレッチ(伸展)の感覚があるまで落とす意識が大切です。
しっかりおろすことで大胸筋が大きくストレッチ(伸展)され、より多くの大胸筋筋繊維に負荷を与えることができます。可動域を短くするとそれだけ負荷も小さくなります。
可動域を短くするとより高重量を扱うことができますが、筋肥大のメカニズムで考えると、効率的なやり方とは言えません。また高重量を扱う際は正しいフォームでないと関節・腱・筋肉を怪我することにもつながるので注意が必要です。
可動域は大きく、しかし肘は伸ばしすぎないという意識が重要です。
③マッスルコントロールを意識できていない


ダンベルをおろす際、力を抜いて一気に落としてはいませんか?
マッスルコントロールとは、筋肉の出力によりウェイトを扱い制御するという意味です。すべての種目に共通することですが、ウェイトの数字通りの負荷を筋肉に与えなければ、そのウェイトを扱っている意味がなくなってしまいます。
例えば、ベンチプレスでバーベルを下す際に力を抜いて勢いよくおろしてしまうと、100kgのバーベルでもおろす瞬間には実際に筋肉に負荷として乗っているウェイトの重量は50kgだったり、ゼロになっている可能性があります。
つまり負荷が入っている瞬間と入っていない瞬間があり、負荷が入っている瞬間でもその負荷はウェイトの数字より軽い場合があるということになります。これは非常に効率の悪い、質の低い効果的ではないベンチプレスということになります。
おろす際も力を抜かず、筋肉にウェイトの数字通りの負荷を乗せたままおろす意識を持つ必要があります。これがマッスルコントロールです。
④マッスルマインドコネクション


マッスルマインドコネクションとは、「筋肉と脳神経のつながり」です。
なかやまきんに君の筋肉ルーレットのように、大胸筋をピクッピクッと動かすのを想像するとわかりやすいかと思います。
彼は筋肉を自由自在に操ることが出来るからこそ、あの芸ができるのです。
筋肉を自在に操ることが出来るということは、筋トレでメインターゲットを効率的に効かせることが出来るということです。
“負荷を感じる”というのもこのマッスルマインドコネクションでは重要です。
トレーニング中にメインターゲットの部位に対し、負荷を感じながら動作させることで、効かせるべき部位だけに効かせることができます。
⑤トレーニングマシンのように同じ動作を意識する


トレーニングマシン種目のように、毎回の動作を同じようにきれい適切なフォームを維持しながら動作することが大切です。
これを、ストリクトフォームと言います。
ストリクトフォームとは“正しい””正確な”“厳格な”という意味があり、つまり反動を使わず丁寧で正しいフォームという意味になります。
正しいフォームをしっかりと身につけ、体で覚えることで最も効率的に対象筋への負荷を与えることができるので、理想の肉体を作り上げることが可能になります。
間違ったフォームのままトレーニングを続けると、対象筋以外の筋肉も使ってしまい、適切な負荷が入らずいつまでたっても肉体に変化のない質の低いトレーニングになってしまいます。
⑥肩に力が入り肘が開いてしまっている


リバースグリップダンベルプレスで動作中に力みすぎると、肩が上がってしまったり肩の力で押し上げようとしてしまい、胸が内側に入り大胸筋への負荷が逃げてしまうことがあります。
肩が上がってしまうとダンベルのウェイトは、肩甲骨ではなく肩関節に乗ってしまうため肩を痛めやすくなります。
また、力みすぎると肘が開き、ダンベルを挙上する力が逃げてしまい肩の位置も上がってしまうため、必ず肘を閉じることと肩を下げてリラックスさせたまま動作する意識をもちましょう。
トレーニングレベルが分かってしまう⁈スタート動作とフィニッシュ動作のやり方
リバースグリップダンベルプレスは大胸筋上部のトレーニングとして非常に効果的な種目ではありますが、ダンベルの重量が重くなるにつれて、スタートポジションまでダンベルを上げていく動作に特に苦労されている方が多いです。
高重量のダンベルを使用する場合に失敗すると、大胸筋断裂、上腕二頭筋断裂などの重傷に至るケースもあります。
特にインクラインでの失敗や潰れてしまった時の場合、腕がねじれるようにダンベルが落ちてしまい脱臼や骨折をしてしまったり、疲労によりダンベルを支えられなくなると、顔や胸に落としてしまい怪我につながることもあります。
実は高重量のダンベルはバーベルよりも危険と言えます。
リバースグリップダンベルプレスのスタート・フィニッシュ動作にも技術が必要で、しっかりと習得してから高重量に挑むべきです!
リバースグリップダンベルプレスで肩関節を痛めないための5つの注意点
リバースグリップダンベルプレスでトレーニングをしていると、肩の痛みが出てしまうなんてことありませんか?
リバースグリップダンベルプレスは、上体が前傾させたまま動作するため、肩関節への負荷がどうしてもかかりやすいのです。
そこで、ここでは肩を痛めないための5つの方法を紹介します
入念なストレッチ・セルフケア


リバースグリップダンベルプレスでは特に、三角筋・肩関節への負荷が加わりやすいため、必ず入念なストレッチをしてからトレーニングすることを心がけて下さい。
肩関節のストレッチをすることで柔軟性が向上し、出力向上や可動域も広がるため全体的なパフォーマンス向上につながり、体が温まることで血流がよくなり、怪我のリスクも軽減させることができます。
トレーニング後も同様にしっかりとストレッチすることが重要です。トレーニング後は筋肉疲労や疲労物質が身体に蓄積し筋肉が緊張することで張りも出てきます。このため入念なストレッチで筋肉の緊張をほぐし、筋肉をOFFの状態に戻すことで後々の筋肉痛軽減や怪我の予防やパフォーマンス低下を防ぐことができます。
クールダウンで筋肉を癒す


リバースグリップダンベルプレスやその他トレーニングで、怪我のリスクを避けるためには、クールダウンも忘れないようにしましょう。
クールダウンは、筋肉の緊張を緩和したり、疲労物質の排出を促す効果があります。
クールダウンの時は、静止した状態で行う「スタティックストレッチ」を行い、トレーニングで使った筋肉をOFFにしてゆっくりと伸ばすことが大切です。
適切なフォームでできる回数から始める


リバースグリップダンベルプレスの動作比較的簡単ですが、大胸筋や上腕の筋力がなければ、回数を重ねるのが難しい種目です。
回数を重ねようとして無理やり体を上へ上げようとすると、誤ったフォームになることで、対象筋に適切な負荷が入らなくなるだけではなく、肩関節や腕を痛めてしまいます。
そのため、まずは無理をせず、適切なフォームで出来る回数から始めるようにしましょう。
フォームを体で覚えて、適切な動作ができるようになってから回数を増やしていくようにしてください。
適切なフォームを意識する


リバースグリップダンベルプレスで肩関節や腕を痛めないためには、適切なフォームを意識することが大切です、
動作に入る前に、しっかりと適切なフォームのポイントを確認し、頭の中でイメージしてから実際の動作に入るようにしてください。
また、可能であれば鏡で自分の動作フォームを見ながらトレーニングをすることで、間違ったフォームで動作していないか、セルフチェックすることができるので、ジムでのトレーニングでは常に、鏡でフォームをチェックする癖をつけましょう。
違和感を感じたらすぐに中止する
後々痛みが増してくる場合もありますので、一度様子を見ましょう。
1度怪我をしてしまうと、完治するまでその部位を鍛えることができなくなるので、その期間に筋肉を失ってしまう上、他の部位のトレーニングに影響が出る可能性まであり、最悪な結果となってしまいます。
フォームが安定しない場合はスミスマシンを使用する


適切なフォームでの動作が難しい場合、そのまま続けてしまうと怪我をしてしまったり、非効率なトレーニングになってしまうため、スミスマシンを使用したリバースグリップベンチプレスを行うのも、一つの手です。
フリーウェイトのバーベルでリバースグリップベンチプレスを行う際、バーベルの軌道がブレてしまっていたり、フォームが崩れやすい方は、スミスマシンを使用することをおすすめします。
スミスマシンはバーベルやダンベルといったフリーウェイトとは異なり、バーベルの軌道が固定されているため、前後左右にフォームのブレなく安定したトレーニングが可能になります。
またセーフティバーがついているので万が一潰れてしまってもセーフティバーより下には落ちないので安全性の高いトレーニングができます。
そのため、フォームがまだ安定していない初心者の方にもおすすめな、リバースグリップベンチプレスのバリエーションになります。
リバースグリップダンベルプレスで推奨するサポートギア類について
ベンチプレスをする上でより安全にトレーニングを行うためにおすすめなギアをここでご紹介します!
リストラップ
手首を保護してくれるリストラップはベンチプレス・ダンベルプレス・ショルダープレスなどのプレス系種目におすすめなギアです。
手首は関節の中でも特に痛めやすく、ウェイトの負荷が最もかかりやすい関節なのでまず最初に用意したいギアになります。
パワーベルト
腰を保護してくれるパワーベルトはBIG3(ベンチプレス・スクワット・デッドリフト)のトレーニングをする上で欠かせないギアです。
腰を痛めるのを防いでくれるほか、腹圧をサポートしてくれるので体幹の安定や出力向上の効果もあり、リストラップに並んで用意したいギアになります。
全ての筋トレ種目は必ず腰に負荷がかかるので、ぜひとも用意していただきたいギアです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は大胸筋上部と三角筋前部を鍛えるのに特化した、リバースグリップダンベルプレスについてに解説しましたが、大胸筋という一つの筋肉と言っても「上部(インクライン)・中部(ミドル)・下部(デクライン)・外側(アウトサイド)・内側(インサイド)」に区別される大胸筋全体を鍛えないと圧倒的に大きい分厚い胸筋にすることは難しいです。
そのため、満遍なく大胸筋全体を鍛えることが出来るメニュー構成をしましょう。
夏の季節は男性・女性共に薄着になるので、しっかりと効果的で安全なトレーニングを実践して、かっこいい体を手に入れたいものです。
普段からトレーニングしている方はぜひ、このリバースグリップダンベルプレスをバリエーションの一つとして取り入れていただき、さらなる大胸筋の発達につなげていってください。
”No pain No gain”
他にもある、大胸筋の筋肥大に関する記事はこちら♪



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