ディップスは上半身筋トレ最強です。やり方と回数、コツと5つの注意点について解説します。
下半身の王道トレーニング種目といえばスクワットですが、「上半身のスクワット」と呼ばれている筋トレ種目をご存知でしょうか?
スクワットは下半身トレーニングを代表する、いわば「下半身筋トレの王様」、そんな下半身筋トレの王様の名称がつくほど効果的な上半身のスクワットこそ、「ディップス」です。
ディップスは、大胸筋下部に特に集中したトレーニングが可能ですが、ベンチプレスのように必ず関与してしまう三角筋前部の関与を軽減したトレーニングが可能になるため、より大胸筋全体の関与が高いトレーニングが可能になります。
そのため、大胸筋下部だけではなく、大胸筋全体を筋肥大させたい方に非常におすすめな種目です。
今回はそんなディップスの基本的なやり方・フォーム・バリエーションの紹介から、より効果的に筋肥大させるためのコツまで、様々な観点から解説します。
この記事の目次
ディップスの概要

ディップスは、筋トレ初心者から上級者まで採用されている効果的な大胸筋トレーニング種目です。
BIG3(ベンチプレス・デッドリフト・スクワット)に次いで有名で王道トレーニング種目とされているのがディップスです。
ディップスにはいくつかのバリエーションが存在し、大胸筋に特化したトレーニングが可能な種類や、上腕三頭筋に特化にした種類があり、自分の目的に合わせて対象筋を変えたトレーニングが可能になるのも、このディップスの特徴です。
このディップスは、比較的やり方が簡単なので、筋トレ初心者の方にも是非取り組んでいただきたい大胸筋トレーニング種目です。
しっかりと効果的な負荷を対象筋に与えるためには、いくつかのポイント・コツがあるので、この後の記事内容を確認していだき、効果的なトレーニングを実践していただければと思います。
自分の体重を利用するため、平行棒やイスなど、専用の器具がなくても取り組むことは可能ですが、ジムには大抵ディップス専用のディップススタンドがあるため、これを利用することで効果の高いトレーニングができます。
ディップスはメインターゲットが大胸筋で、サブターゲットが上腕三頭筋・三角筋前部になります。肩関節・肘関節を含むため、多関節運動種目(コンパウンド種目)に区別されます。
ディップスは、専用のディップススタンドを使用して行うのが一般的です。
大胸筋の王道トレーニング種目であるベンチプレスは、バーベルとベンチ台を使用しますが、このディップスに関しては必要な機材が少ないというのと、バリエーションによっては専用のディップスタンド以外の身近なものを代用して行うディップスまであり、非常に取り組みやすい種目です。
ディップスが一石三鳥と言われる効果とは
男性は分厚いかっこいい男らしい胸板がつくれる

ディップスのメインターゲットである「大胸筋」は、胸の筋肉の中でも一番大きい筋肉で、男性であれば誰もが憧れる厚い胸板を構成する筋肉です。
この大胸筋を鍛えることができるトレーニング種目は、ディップス以外にも、ベンチプレスやダンベルプレスなど、様々な種類がありますが、ディップスは特に大胸筋下部・全体を集中して鍛えることができます。
そのため、効率よく、効果的に大胸筋を鍛えたいという方におすすめな大胸筋トレーニング種目です。
女性は美しいバストラインと引き締めに効果を期待ができる

ディップスは男性だけでなく、女性の大胸筋トレーニングにもおすすめな種目です。
ディップスのメインターゲットである「大胸筋」を鍛えることで、女性は美しいバストラインを作ることができます。
大胸筋はバスト(乳房)を引っ張り、引き締めてくれるため、上向きのバストを作るサポートをします。
また、大胸筋は鎖骨付近から伸びている筋肉のため、美しく健康的なデコルテを表現することができるため、むしろ女性にこそおすすめしたい筋トレ種目です。
男性は太くて男らしい腕がつくれる

ディップスは大胸筋だけでなく、上腕三頭筋を鍛えることができます。
上腕三頭筋は、手のひらを上に向けた時に、腕の裏側についている筋肉で、そのサイズは非常に大きく、上腕の筋肉の3分の2は上腕三頭筋によって構成されています。
腕の筋肉の中でもこの上腕三頭筋は、最大の大きさを誇る筋肉で、この上腕三頭筋を鍛えることで腕全体の厚みを出すことができます。
腕の筋肉というと、力こぶである上腕二頭筋のほうが目立ちやすく、腕のトレーニングと言ったらどうしても、上腕二頭筋ばかりを鍛えてしまいがちですが、上腕三頭筋こそ、腕を太くするためには欠かせない筋肉なのです。
腕を構成する筋肉の中で、最大の大きさである上腕三頭筋を鍛えることで、一番効率よく、太く見えやすいということになります。
女性は二の腕の「ふりそで」の解消に効果がある

ディップスで鍛えられる筋肉部位は大胸筋と上腕三頭筋で、ディップスによって鍛えることが出来る上腕三頭筋は、いわゆる二の腕にある「ふりそで」の部分のため、この部位を鍛えることで、女性は二の腕のふりそでの解消ができ、引き締まった美しい二の腕を手に入れることが可能です。
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筋トレ初心者でも簡単に効果的なトレーニングができる

ディップスは大胸筋トレーニング種目の中でも、安全性の高い種目であり、かつ比較的簡単な動作で効果的なトレーニングが可能な種目です。
大胸筋を鍛える種目の代表的なものとしては、ダンベルやバーベルを使用する「ベンチプレス」がありますが、ベンチプレスはダンベルやバーベルが落下してしまう危険性があり、それにより肩関節を痛めてしまったり、失敗すると、最悪の場合、大胸筋断裂、上腕二頭筋断裂などの重傷に至るケースもあります。
ダンベルの場合は、腕がねじれるようにダンベルが落ちてしまい脱臼や骨折をしてしまったり、疲労によりダンベルを支えられなくなると、顔や胸に落としてしまい怪我につながることもあります。
それに比べ、ディップスは自分の体を重りとして使用するため、怪我のリスクがなく安全です。
トレーニング初心者でも安全に鍛えることができる

トレーニングの初心者にとって、やり肩・フォーム・動作が難しいトレーニング種目は、やり方を覚えるだけでも大変です。
また、ジムでマシンを使うようなトレーニングでも、マシンの使い方を覚えるだけでも意外と大変です。その反面、ディップスは動きが比較的簡単で覚えやすいため、トレーニング初心者の方でも効果的に安全な大胸筋・上腕三頭筋トレーニングが可能になります。
カロリー消費効果・ダイエット効果に期待ができる

ディップスは実は、ダイエット効果の高い大胸筋トレーニング種目です。
ディップスのメインターゲットである大胸筋は、上半身・体全体の中でも非常に大きな筋肉のため、
膨大なカロリーの消費に期待することができます。また、大胸筋が発達すれば、その分、体全体の代謝もアップするため、痩せやすい体質に変化していきます。
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ディップスは体幹・腹筋全体も鍛えられる

ディップスは大胸筋と上腕三頭筋の筋肉を鍛えることができる種目ですが、動作中は常に両腕のみで体を安定させなければいけないため、腹筋を中心とした体幹も同時に鍛えることが出来ます。
体幹を鍛えて強化することができれば、トレーニング全体のレベルも上がり、より効果的に、より安全なトレーニングが可能になります。
お腹周りのシェイプアップにも効果が期待できる種目でもあります。
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他のトレーニングのパフォーマンス向上にもつながる

ディップスで鍛えることができる「大胸筋」は、ベンチプレスやダンベルプレスなど、筋トレの基本的な種目でもメインとして関与される筋肉で、上腕二頭筋・上腕三頭筋・三角筋の筋肉と連動して動作をするため、他のトレーニング種目においても、非常に重要な筋肉です。
そのため、ディップスにより、大胸筋を鍛えることで、他のトレーニング種目の全体的なレベルアップにもつながります。
日常生活の質が向上する

大胸筋は胸の前で物を持ったり、抱えたり、両腕でものを掴むときなどの動作で使われます。
そのため、ディップスで大胸筋を鍛えておくと、日常生活の質が向上します。
また、重い荷物を運ぶ仕事をしている人は、大胸筋の持久力・出力を高めることで、長い時間作業をしても疲れにくい体になります。
大胸筋の筋力がつけば、より重いものを持てるようになったり、今よりも少ない労力で作業ができるようになります。
ディップスで鍛えられる筋肉・効果について
大胸筋(胸)
ベンチプレスで一番鍛えられる部位である「大胸筋」

大胸筋は上部(インクライン)下部(デクライン)内側(インサイド)外側(アウトサイド)と区別されています。
大胸筋と一言で言っても、胸のトレーニングではこの4つの部位それぞれに効果的なエクササイズがあるため覚えておくといいでしょう。
厚い大胸筋は男らしさを表現することができる花形的存在の筋肉です。またTシャツをかっこよく着こなすためにはこの大胸筋の発達は必要不可欠と言えるでしょう。
また、他の筋肉と違って鍛えれば鍛えるほど目立つやすい筋肉です。
例えば、お腹や足周りの筋肉は服を脱がないと目立ちにくいです。しかし、胸の筋肉(大胸筋)は服を着た上でもはっきりとわかります。多少お腹んいお肉が乗っていたとしても、大胸筋の方が膨らんでいれば、服の上からは大胸筋の発達した引き締まったように見せることができます。
女性にも大胸筋を鍛えることのメリットがあります。
大胸筋を鍛えることで、バストラインが崩れるのを防ぐことができ、バストラインを上げる効果が期待できます。バストラインを綺麗にキープすることができます。
三角筋前部(肩の前)
ベンチプレスで大胸筋の次に効果的に鍛えることができる三角筋。

三角筋は前部(フロント)・側部(サイド)・後部(リア)の3つからなる複合筋で、この筋肉も大胸筋と同様それぞれに効果的なエクササイズが多く存在します。それぞれの部位は名前からも想像できるかもしれませんが、具体的にどこの場所かを画像から確認し、どんな働きをしているのかを見ていきましょう。
三角筋は大胸筋と同様に男らしい広い肩幅を表現することができ、女性からも広い肩幅の男性は頼りがいのある印象を与えることができます。それだけではなく、なで肩の解消や肩こりの解消にもつながるため健康的な意味でも三角筋を鍛えることで得られるメリットは多いです。

三角筋前部とは、上記画像の黄色部分を指している、三角筋の中でも前方部分を占めている筋肉になります。
下記3つが三角筋前部の主な働きになります。
- 肩の屈曲(腕を前に上げる動作)
- 肩の水平内転(水平に上げた腕を内側に絞る動作)
- 肩の内旋(肩前部にあるインナーマッスル)
広背筋(羽と呼ばれる筋肉)

前傾姿勢をキープさせてディップスをする際に広背筋も大きく関与します。著者AKI自身も、ディップスで追い込んだ次の日は広背筋にも強い筋肉痛がきます。
広背筋は逆三角形の背中を作る上で一番重要な部位です。
腰の上あたりから肩の下あたりまであるこの広背筋は背中の逆三角形のシルエットを作るうえで一番重要な部位になります。
この広背筋の横への広がりが大きければ大きいほどウェストとの対比で逆三角形のシルエットにすることができるため背中の筋肉の王道部位と言えるでしょう。
広背筋は本来、体幹の中の一つの筋肉に属しますが、大円筋と共に、肩関節の様々な動作(内転、内旋、伸展)に関与し、重要な役割を果たしています。
懸垂、ロープ・クライミング・綱引きのように、腕を伸ばした状態から身体を引き上げるという動作では、広背筋の関与が高まります。
上腕三頭筋(二の腕の裏)

そもそも上腕三頭筋とはどんな筋肉なのか、筋トレメニューをご紹介する前に、上腕三頭筋という筋肉について解説していきます。
上腕三頭筋は、(長頭・内側筋・外側筋)という3つの筋肉から構成される複合筋です。
腕を伸ばした時に、腕の後ろ側に浮き出てくる筋肉が上腕三頭筋ですが、部位を知るためにも実際に見て触って確認することをおすすめします。
長頭の働きと部位に関して
長頭(画像の赤色部分)とは、肩甲骨関節下結節というところに付着している筋肉であり、肘関節の伸展動作だけでなく、肩関節の伸展動作に関わる働きをしています。
少々難しい用語が出ていますが、上腕三頭筋の中でも長頭だけが肩にまで伸びている筋肉で、腕を伸ばした時に内側にある筋肉を指します。上腕を内転方向に動かす際にも使われる筋肉です。
そのため、長頭を鍛える事で筋肥大だけでなく、スポーツ競技全般における能力の向上に役立つと言われています。
効果的に鍛えるコツ
長頭に効かせるためには、極力上腕を体幹に近づけて行う事が大切です。
具体的には、脇を締めて行うと長頭への刺激を実感できます。その際、肘は固定しながら行うのもポイントです。
短頭(内側頭・外側頭)の働きと部位に関して
短頭とは、内側頭(画像の緑色部分)と外側頭(画像の黄色部分)をまとめて表現した言葉であり、肘関節収縮時だけに作用する働きをしています。腕を伸ばした時に外側にある筋肉を指します。上腕を内転方向に動かす際にも使われる筋肉です。
鍛える上でのコツ
短頭に効かせるためには、やや肘を開き気味に行うことで短頭への刺激を実感できます。長頭と同様に、肘は固定しながら行う事がポイントになります。
ディップスのやり方とフォーム、コツ
ここからは、基本的なディップスのやり方・フォームについて解説していきます。
しっかりと基本的なフォームを覚えることで、怪我のリスクを軽減した安全で効果的なトレーニングが可能になります。
ディップスは、体を完全に腕だけで支えながら動作する、高負荷トレーニング種目です。
大胸筋に集中して鍛える方法と、上腕三頭筋に集中して効かせることが出来る、2種類のトレーニングができる種目で、ボディービルダーやフィジーク選手の方にも人気な種目です。
自重だけでは負荷が足りない方は、ウエイトをプラスしてより高強度なトレーニングが可能になります。
【ディップスのやり方・フォーム】
- 平行棒やディップス専用棒を使用する
- 両手でバーを持ち、体を軽く浮かせる
- 膝を90度くらいに曲げ、少しだけ上体を前傾させます。
- 手首から肘までの角度を地面に対して垂直を保つ
- 前腕と肘を固定したまま、ゆっくりと体を下げていく
- 限界まで下げたら、上腕三頭筋の出力を意識して素早く体を上げていく
- 上記の動作を繰り返します
ディップスの目安は、10回×3セット。フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 上半身を軽く前に前傾させる
- 自重でトレーニングするのが難しい方は、専用の補助付きのディップスマシンで行う
- 上腕と地面が平行になるまで下げていく
- 下げすぎてしまうと、三角筋に過度なストレッチがかかるため、注意する
ディップスは、自分の体重を完全に浮かせるため、非常に効果的な刺激を上半身の筋肉に与えることが可能です。
正しいフォームが何よりも大切
ベンチプレスだけでなく、すべてのエクササイズ・種目では基本的な動作フォームがなによりも大切です。
まずは正しいフォームをしっかりと身につけ、体で覚えることで最も効率的に対象筋への負荷を与えることができるので理想の肉体を作り上げることが可能になります。
間違ったフォームのままトレーニングを続けると対象筋以外の筋肉も使ってしまい、適切な負荷が入らずいつまでたっても肉体に変化のない質の低いトレーニングになってしまいます。
それだけではなく関節・筋肉・腱を痛めてしまい怪我につながってしまいます。1度怪我をすると、完治するまでその部位を鍛えることができなくなるのでその期間に筋肉を失ってしまう上、他の部位のトレーニングに影響が出る可能性まであり、最悪な結果となってしまいます。


ここでまず覚えていただきたいのは、正しいフォームを覚えることが理想の肉体への一番の近道であるということ。
「怪我」は筋トレの中で一番気を付けなければいけない脅威だということです。
ディップス4種のバリエーション
ディップスにはいくつかのバリエーションが存在します。
それぞれの特徴を理解し、より効果的なトレーニングにしましょう。
チェアー・ディップス
安定性の高いイスを二脚用意し、間に自分の体が入る幅で配置します。
背もたれの頂点の部分を、ディップススタンドと同じようにして掴み、腕をまっすぐに立て、床から足を浮かせます。この時、体がぶれないように腹筋に力を入れて体を支えます。足は膝を曲げて、床から浮かせるようにします。
次に、肘を深く曲げて体を下ろしていき、90度ぐらいまで下ろし、大胸筋のストレッチを感じたら、肘を伸ばしてもとの位置まで戻ります。
チェアー・ディップスでは、基本的なディップスと同じく、主に大胸筋をメインに鍛えることが出来ます。そのため、男性であれば厚い胸板を作るのに最適で、女性であればバストラインを構成するのに効果的です。
また、二の腕の裏側の筋肉である、上腕三頭筋を鍛えることも出来るため、男性であれば太くてたくましく腕をつくることが出来、女性であれば二の腕の引き締めに効果的です。
ディップスの動作は体を深く下ろすことで効果が高まるため、イスは高さのあるものがおすすめです。
【チェアー・ディップスのやり方・フォーム】
- 両側の椅子の背もたれの頂点部分を両手で掴む
- 体を軽く浮かせる
- 膝を90度くらいに曲げ、少しだけ上体を前傾させます。
- 手首から肘までの角度を地面に対して垂直を保つ
- 前腕と肘を固定したまま、ゆっくりと体を下げていく
- 限界まで下げたら、上腕三頭筋の出力を意識して素早く体を上げていく
- 上記の動作を繰り返します
チェアーディップスの目安は、10回×3セット。フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 上半身を軽く前に前傾させる
- 自重でトレーニングするのが難しい方は、専用の補助付きのディップスマシンで行う
- 上腕と地面が平行になるまで下げていく
- 下げすぎてしまうと、三角筋に過度なストレッチがかかるため、注意する
チェアー・ディップスは、専用のディップスタンドより安定性に欠けるため、動作には細心の注意をしながら取り組んでください。
ワン・チェアー・ディップス
安定性の高いイスを1脚用意し、椅子の座面に両手を置きます。
腕をまっすぐに立て、脚は伸ばし切ります。※脚を伸ばし切ったまま動作が難しい場合は、膝を90程度に曲げて足裏を地面につけたまま動作します。
床からお尻を浮かせます。この時、体がぶれないように腹筋に力を入れて体を支えます。
次に、肘を深く曲げて体を下ろしていき、90度ぐらいまで下ろし、大胸筋のストレッチを感じたら、肘を伸ばしてもとの位置まで戻ります。
ワン・チェアー・ディップスでは、基本的なディップスと同じく、主に大胸筋をメインに鍛えることが出来ます。そのため、男性であれば厚い胸板を作るのに最適で、女性であればバストラインを構成するのに効果的です。
また、二の腕の裏側の筋肉である、上腕三頭筋を鍛えることも出来るため、男性であれば太くてたくましく腕をつくることが出来、女性であれば二の腕の引き締めに効果的です。ディップスの動作は体を深く下ろすことで効果が高まるため、イスは高さのあるものがおすすめです。
【ワン・チェアー・ディップスのやり方・フォーム】
- 安定性の高いイスを1脚用意し、椅子の座面に両手を置きます。
- 脚は伸ばし切ります。※脚を伸ばし切ったまま動作が難しい場合は、膝を90程度に曲げて足裏を地面につけたまま動作します
- お尻を浮かせていきます
- 手首から肘までの角度を地面に対して垂直を保つ
- 前腕と肘を固定したまま、ゆっくりと体を下げていく
- 限界まで下げたら、上腕三頭筋の出力を意識して素早く体を上げていく
- 上記の動作を繰り返します
ワン・チェアーディップスの目安は、10回×3セット。フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 脚をしっかりと伸ばし切ることで、脚に負荷が逃げるの防げます
- 自重でトレーニングするのが難しい方は、専用の補助付きのディップスマシンで行う
- 上腕と地面が平行になるまで下げていく
- 下げすぎてしまうと、三角筋に過度なストレッチがかかるため、注意する
ワン・チェアー・ディップスは、専用のディップスタンドより安定性に欠けるため、動作には細心の注意をしながら取り組んでください。
ウエイテッド・ディップス(加重ディップス)
ディッピングベルトにプレート、またはダンベルをつけ、腰にかけます。その状態のまま、基本のディップスと同じようにディップススタンドに腕をまっすぐに立て、床から足を浮かせます。この時、体を安定させるために、しっかりと体幹に力を入れ、体全体がブレないようにします。
次に、肘を深く曲げて体を下ろしていき、90度ぐらいまで下ろし、大胸筋のストレッチを感じたら、肘を伸ばしてもとの位置まで戻ります。10回×3セットを目安に行いましょう。
ウエイテッド・ディップスで鍛えることが出来るメインターゲットは、大胸筋で、ウエイトでより負荷を高ているため、より大きな刺激を大胸筋に与え、高強度に鍛えることが出来ます。そのため、特に男性の厚い胸板づくりに効果的です。
また、二の腕の裏側の筋肉である、上腕三頭筋を鍛えることも出来るため、太くてたくましい上腕づくりにもおすすめです。
【ウエイテッド・ディップスのやり方・フォーム】
- 平行棒やディップス専用棒を使用する
- ディッピングベルトを腰に装着し、プレート・ダンベルをつける
- 両手でバーを持ち、体を軽く浮かせる
- 膝を90度くらいに曲げ、少しだけ上体を前傾させます。
- 手首から肘までの角度を地面に対して垂直を保つ
- 前腕と肘を固定したまま、ゆっくりと体を下げていく
- 限界まで下げたら、上腕三頭筋の出力を意識して素早く体を上げていく
- 上記の動作を繰り返します
ウエイテッド・ディップス(加重ディップス)の目安は、10回×3セット。フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 上半身を軽く前に前傾させる
- 自重でトレーニングするのが難しい方は、専用の補助付きのディップスマシンで行う
- 上腕と地面が平行になるまで下げていく
- 下げすぎてしまうと、三角筋に過度なストレッチがかかるため、注意する
ウエイテッド・ディップスは、自分の体重に加えてウェイトを追加するため、高強度で、より効果的な刺激を大胸筋と上腕三頭筋に与えることが可能です。
リバース・ディップス
ベンチ台の上に両手を乗せ、足を前方に伸ばして揃えます。つま先は立てて、かかとを地面つきます。体幹に力を入れて体全体を安定させ、肘を曲げて深く体を下ろしていきます。この時、重心は肩・腕にかけるようにします。
肘が90度ぐらいになるまで体を下ろし、大胸筋のストレッチを感じたら、肘を伸ばして体を持ち上げます。初めの上体に戻ったら、同じように繰り返します。10回×3セットを目安に行いましょう。
脚を伸ばしたまま動作するのが困難な場合は、脚を90に曲げ、足裏を地面につけたまま行いましょう。
基本のリバース・ディップスは、上腕の筋肉である上腕三頭筋をメインに鍛えることが出来ます。そのため、男性であれば太くてたくましい腕づくり、女性であれば二の腕の引き締めに効果的です。
【リバース・ディップスのやり方・フォーム】
- ベンチ台の上に両手を乗せ、足を前方に伸ばして揃えます
- 手幅を自分の肩幅より少し広めにし、体を軽く浮かせる
- 膝を90度くらいに曲げ、少しだけ上体を前傾させます。
- 手首から肘までの角度を地面に対して垂直を保つ
- 前腕と肘を固定したまま、ゆっくりと体を下げていく
- 限界まで下げたら、上腕三頭筋の出力を意識して素早く体を上げていく
- 上記の動作を繰り返します
リバース・ディップスの目安は、1回×3セット。
効果的に効かせるコツ
- 脚を伸ばし、腰からかかとまでを一直線に維持する
- 自重でトレーニングするのが難しい方は、専用の補助付きのディップスマシンで行う
- 上腕と地面が平行になるまで下げていく
- 下げすぎてしまうと、三角筋に過度なストレッチがかかるため、注意する
- 脚を伸ばしたまま動作するのが困難な場合は、脚を90度に曲げ、足裏を地面につけたまま行う
リバース・ディップスは、自分の体重を完全に浮かせるため、非常に効果的な刺激を上半身の筋肉に与えることが可能です。
【関連記事】冒頭でディップスがBIG3の次に有名であることをお伝えしましたが、ここでBIG3のやり方も下記リンクでご紹介します。大きな筋肉を鍛えて、効果的に筋トレをしていきましょう!
ディップスの効果的な回数・セット数について
大胸筋の筋肥大に効果的なセット数について
一般的には最低でも“3セット”と聞いたことがあるかもしれませんが、「筋肥大」と意味ではこれでは少ないです。
3セットのみでは筋肥大に十分な負荷を与えられずに効果が表れにくいです。
最低でも5セット以上10セット以下
最低でも5セット以上はトレーニングすることをおすすめします。
筋肥大に効果的な負荷を与えるには筋肉の緊張時間を長くし、かつしっかり重量をかけてオールアウト(追い込み切る)することが重要になります。
また、筋出力向上の観点からしても5セット以上でないとすべての筋繊維が使用されずに使用重量もあまり発揮されません。つまり3セットではウォーミングアップレベルでしかないということになります。
パワーリフティングのトレーニングでも基本的に8セット・10セットというのはごく普通のトレーニング強度です。それくらいのセット数で追い込まなければ目に見える効果はなかなか表れてくれません。
しっかりとオールアウトさせることを意識してください。
ディップスをより効果的にトレーニングするテクニック
ここまで、ディップスのバリエーションについてご紹介してきましたが、ここではそのディップスのトレーニング効果をより高めるコツ・テクニックについて紹介していきます。
より効果的で質の良いトレーニングができるように確認していきましょう。
ストップ・ディップス
ストップ・ディップスは、中級者~上級者トレーニー向けとされている、より高負荷を与えることができるトレーニングテクニックです。
ボトムポジションまで体をおろした際、力を抜かずに力を入れたまま2秒~3秒止めてからダンベルを挙上します。ウェイトを大胸筋で受け止め、勢いや反動を殺すことでウェイトの数字通りの負荷をマッスルコントロールにより与えることができます。
また筋肉の緊張時間も長いため、より筋肥大につながる効果的な刺激を大胸筋へ与えることが可能です。
このテクニックは、ディップスだけではなく、ベンチプレス種目・ダンベルプレス種目で負荷が逃げやすい方や、より筋肥大効果の高いトレーニングを求める方にもおすすめのトレーニング法です。
しかしストップテクニックはフォームの維持が通常と比べると難易度が高いため、ディップス、ベンチプレス種目・ダンベルプレス種目でのフォームが正しいフォームで動作できる方にのみおすすめします。
MI40法・ディップス
アメリカのIFBBプロボディビルダーである「Ben Pakulski」が提唱した上級者向けトレーニング法です。
ポジティブ(力を入れて挙上する) 動作を1秒
ネガティブ(力を抑制してバーベルをおろす)動作を4秒
1レップに計5秒かけてしっかりと負荷をたたき込むやり方です。これを最低でも8レップ行います。8レップで「限界」の重量設定が重要になりますので、軽くしすぎないよう注意してください。
ネガティブ動作重視の高負荷トレーニングテクニックと言えるでしょう。
【やり方】
- ディップスでボトム(肘曲げて体を深くおろした)時に、トップポジション(体を上へ押し上げて肘を伸ばす動作)まで上げるスピードを1秒で動作します。
- ボトムポジションまで体をおろす際に4秒かけながらゆっくりとおろしていきます。
- このとき、体幹や肘がブレやすくなるので、しっかり腹筋に力を入れて安定した動作を心がけて下さい。
ディップスの効果を高めるポイント
ディップスは大胸筋下部・大胸筋全体のトレーニングとして非常に効果的で単純な動作に見えますが、非常に奥が深く、ただ単純に体を上げ下げすればいいわけではありません。
質の高い負荷を大胸筋に与えることが重要で、そのためにはいくつかのコツがあるのでしっかりと習得しましょう。
マッスルコントロールを意識


マッスルコントロールとは、筋肉の出力によりウェイトを扱い制御するという意味です。すべての種目に共通することですが、ウェイトの数字通りの負荷を筋肉に与えなければ、そのウェイトを扱っている意味がなくなってしまいます。
例えば、ベンチプレスでバーベルを下す際に力を抜いて勢いよくおろしてしまうと、100kgのバーベルでもおろす瞬間には実際に筋肉に負荷として乗っているウェイトの重量は50kgだったり、ゼロになっている可能性があります。
つまり負荷が入っている瞬間と入っていない瞬間があり、負荷が入っている瞬間でもその負荷はウェイトの数字より軽い場合があるということになります。これは非常に効率の悪い、質の低い効果的ではないベンチプレスということになります。
おろす際も力を抜かず、筋肉にウェイトの数字通りの負荷を乗せたままおろす意識を持つ必要があります。これがマッスルコントロールです。
マッスルマインドコネクション


マッスルマインドコネクションとは、「筋肉と脳神経のつながり」です。
なかやまきんに君の筋肉ルーレットのように、大胸筋をピクッピクッと動かすのを想像するとわかりやすいかと思います。
彼は筋肉を自由自在に操ることが出来るからこそ、あの芸ができるのです。
筋肉を自在に操ることが出来るということは、筋トレでメインターゲットを効率的に効かせることが出来るということです。
“負荷を感じる”というのもこのマッスルマインドコネクションでは重要です。
トレーニング中にメインターゲットの部位に対し、負荷を感じながら動作させることで、効かせるべき部位だけに効かせることができます。
肘を伸ばし切らない(ロックアウトしない)


肘を伸ばし切ると、体重の負荷は肩関節・肩甲骨に完全に乗ってしまうため、大胸筋の緊張が途切れてしまいます。
肘は「8割程度」まででトップポジションは設定し、伸ばし切らないことで上腕三頭筋の動員も軽減することできるので、大胸筋に対し質の高い負荷を与えることが可能になります。
トレーニングマシンのように同じ動作を意識する


トレーニングマシン種目のように、毎回の動作を同じようにきれい適切なフォームを維持しながら動作することが大切です。
これを、ストリクトフォームと言います。
ストリクトフォームとは“正しい””正確な”“厳格な”という意味があり、つまり反動を使わず丁寧で正しいフォームという意味になります。
正しいフォームをしっかりと身につけ、体で覚えることで最も効率的に対象筋への負荷を与えることができるので、理想の肉体を作り上げることが可能になります。
間違ったフォームのままトレーニングを続けると、対象筋以外の筋肉も使ってしまい、適切な負荷が入らずいつまでたっても肉体に変化のない質の低いトレーニングになってしまいます。
ディップスで肩関節を痛めないための5つの注意点
ディップスでトレーニングをしていると、肩の痛みが出てしまうなんてことありませんか?
ディップスは、上体が前傾させたまま動作するため、肩関節への負荷がどうしてもかかりやすいのです。
そこで、ここでは肩を痛めないための5つの方法を紹介します
入念なストレッチ・セルフケア


ディップスでは特に、三角筋・肩関節への負荷が加わりやすいため、必ず入念なストレッチをしてからトレーニングすることを心がけて下さい。
肩関節のストレッチをすることで柔軟性が向上し、出力向上や可動域も広がるため全体的なパフォーマンス向上につながり、体が温まることで血流がよくなり、怪我のリスクも軽減させることができます。
トレーニング後も同様にしっかりとストレッチすることが重要です。トレーニング後は筋肉疲労や疲労物質が身体に蓄積し筋肉が緊張することで張りも出てきます。このため入念なストレッチで筋肉の緊張をほぐし、筋肉をOFFの状態に戻すことで後々の筋肉痛軽減や怪我の予防やパフォーマンス低下を防ぐことができます。
クールダウンで筋肉を癒す


ディップスやその他トレーニングで、怪我のリスクを避けるためには、クールダウンも忘れないようにしましょう。
クールダウンは、筋肉の緊張を緩和したり、疲労物質の排出を促す効果があります。
クールダウンの時は、静止した状態で行う「スタティックストレッチ」を行い、トレーニングで使った筋肉をOFFにしてゆっくりと伸ばすことが大切です。
適切なフォームでできる回数から始める


ディップスの動作比較的簡単ですが、大胸筋や上腕の筋力がなければ、回数を重ねるのが難しい種目です。
回数を重ねようとして無理やり体を上へ上げようとすると、誤ったフォームになることで、対象筋に適切な負荷が入らなくなるだけではなく、肩関節や腕を痛めてしまいます。
そのため、まずは無理をせず、適切なフォームで出来る回数から始めるようにしましょう。
フォームを体で覚えて、適切な動作ができるようになってから回数を増やしていくようにしてください。
適切なフォームを意識する


ディップスで肩関節や腕を痛めないためには、適切なフォームを意識することが大切です、
動作に入る前に、しっかりと適切なフォームのポイントを確認し、頭の中でイメージしてから実際の動作に入るようにしてください。
また、可能であれば鏡で自分の動作フォームを見ながらトレーニングをすることで、間違ったフォームで動作していないか、セルフチェックすることができるので、ジムでのトレーニングでは常に、鏡でフォームをチェックする癖をつけましょう。
違和感を感じたらすぐに中止する


肩関節や筋肉に痛みや違和感がある場合はトレーニングは中止しましょう。
後々痛みが増してくる場合もありますので、一度様子を見ましょう。
1度怪我をしてしまうと、完治するまでその部位を鍛えることができなくなるので、その期間に筋肉を失ってしまう上、他の部位のトレーニングに影響が出る可能性まであり、最悪な結果となってしまいます。
ディップスで推奨するギア類
ディップスをする上でより安全にトレーニングを行うためにおすすめなギアをここでご紹介します。
リストラップ
手首を保護してくれるリストラップはベンチプレス・ダンベルプレス・ショルダープレスなどのプレス系種目におすすめなギアです。手首は関節の中でも特に痛めやすく、ウェイトの負荷が最もかかりやすい関節なので、まず最初に用意したいギアになります。
【関連記事】リストラップについてはこちらで詳しく紹介しています(^^)
懸垂マシン(ぶら下がり健康器)
懸垂マシンは宅トレ最強器具です。懸垂マシンが自宅にあるとディップスのトレーニングもできます。コストパフォーマンスがとても良いので、家でもトレーニングしたい場合は、まず懸垂マシンの購入をオススメします。
※懸垂マシンがおすすめの理由はこちら
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ディップスはトレーニング初心者の方でも比較的簡単に、そして安全に効果的なトレーニングが可能な種目です。
上半身の筋肉の中で非常に大きな筋肉である、大胸筋をメインターゲットとして鍛えることが出来るため、男性であれば分厚い胸板づくり、女性であればバストラインの引き締めとバストアップに効果が期待できます。
フォームも比較的簡単で、チャレンジしやすい種目でもあるので、正しいやり方を覚えて、ぜひチャレンジしてみてください。
そして、理想の肉体を手に入れるために一番大切なこと。
それは「継続力」です。どんなに効果の高い種目があっても、それを続けてトレーニングをしていかないと、理想の肉体を手に入れることは難しいでしょう。
是非、このディップストレーニングを継続して行ってみてください。
きっと、理想の大胸筋を手に入れることになるでしょう。
“No pain No gain”
ディップスに関する他の記事はこちら
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AKI



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